どうも!
台湾華語をゆるく勉強中の夏目です。
「台湾好き!だから中国語勉強したい!」と思った時にまずぶち当たるカベが、
どの中国語を勉強すればいいの?
という事だと思います。
中国語と一口にいってもたくさんの種類があり、台湾で一般的に話されている中国語は「台湾華語(たいわんかご)」と呼ばれ、日本で知られている広い意味での「中国語」とは少し違っているからです。
今回は
- 台湾が好き
- 台湾で中国語を喋ってみたい
- 台湾に留学したい
- 台湾で仕事をしたい
- 台湾に住んでみたい
というような、「台湾で喋る」ことを目的にされている方向けに、台湾華語とはどんなものか、中国語や北京語との違いについてざっくりと解説していきたいと思います!
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中国語の種類
「台湾華語とは何?」というお話をわかりやすくするために、まずはざっくりと中国語の種類について解説しますね。
日本で認識されている「中国語」とは「中国で話されている言葉」というイメージだと思います。
確かにそれは間違いではないのですが、厳密には「中国語」とは
中国圏で話されている複数の言語を総称したもの
を指す言葉(名称)なんです。
中国は広いですから、土地ごとに異なる文化と言語があります。
なので、
- 北京語(広いエリアで話される)
- 広東語(広東省・香港エリア)
- 上海語(上海エリア)
- 蘇州語(蘇州エリア)
- 客家語(一部の民族で話される)
などなど、ここに書ききれないぐらいの言語が中国にはあるんです!
言語によってはまったく音も言葉も違うので、同じ中国人同士でも全く会話が通じない、なんてこともあります。
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もちろん標準語もある
中国国内で話が通じないと困りますから、もちろん標準中国語というものも存在します。
それは
普通語(プートンファ)
と呼ばれるもので、中国国内の共通語として教育やTV放送ではこの普通語が使われています。
よほどのお年寄りや奥地の部族でない限りは、中国の人はみんな普通語を理解します。
日本で「中国語」という言語を指す場合は、ほとんどがこの普通語を意味していると言っていいでしょう。
北京語は標準語ではない
中には「中国語を覚えるなら北京語でしょ!」という人もいるかもしれませんが、先ほどもお伝えした通り、北京語は方言の一つです。
確かに北京語は中国大陸内ではかなり広い範囲で話されていますが、中国語の標準語ではないんです。
標準語である普通語は北京語をもとに作られたので、「北京語=標準語」と考える人も多いようですが、厳密には標準語ではありません。
普通語と北京語には多少の違いがありますから、中国大陸で通じる中国語を学びたいという方は普通語を選んだ方がいいですね(^^)
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台湾華語とは
さあお待たせしました。
今回の本題、「台湾華語とは何?」について解説していきます(読み方は「たいわんかご」です)。
結論からお伝えすると、台湾華語とは、
台湾の標準語
です!
中国と同じように、台湾にも地域ごとに文化や部族、言語が存在します。
そのため、地域によっては
- 台湾語
- 客家語
- 原住民語
などの方言が話されてきたし、今も話されています。
で、これも中国大陸と同様に「共通語がないとダメだ!」という事で
台湾華語
という標準語が存在しているのです。
標準語である台湾華語を話せないお年寄りもいるそうですが、ほとんどの台湾人は台湾華語を喋れます。
なので台湾における中国語の共通語は、台湾華語ということになります!
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なぜ台湾華語と呼ばれるか
台湾華語がなぜ台湾華語と呼ばれるようになったのか。
これに関しては私の推測も交えていきますが、中国語圏では中国語のことを「華語」と呼ぶケースもあるそう。
特にシンガポールやマレーシア、台湾などの中国大陸以外で話されている中国語のことを華語と呼ぶことが多いようです。
これらはまとめて華語と呼ぶこともできますが、台湾で話されている華語(中国語)は独自の特徴を持つようになったため、他の地域で話される華語と区別して、
台湾で話されている華語=台湾華語
と呼ばれるようになったのではないでしょうか。
台湾人は台湾華語を喋っている認識がない?!
ちなみに、ほとんどの台湾人は自分たちの標準語を「台湾華語」だという認識はあまりしていないようです。
台湾国内では自国の言葉である「国語」という言葉で認識していることが多いよう。
先日台湾出身の母に「やっぱり勉強するなら台湾華語だと思って…」と言ったら「何それ?」と言われました…(´Д`)
「台湾華語」という名称は、外国人が中国語と台湾の標準語を区別するためにできた言葉のようです。
※「台湾語」は標準語とはまた違う言語なので、この後解説します
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台湾華語と中国語(普通語)には大きな違いはない
だいたい整理できてきたところで、今回のもう一つ重要なテーマである「台湾華語と中国語(普通語)の違い」についても解説していきましょう!
「台湾華語と中国語って違うの?」という点について、結論から書くと
かなり似ていて、違いは少ない
と言えます。
私は今まで台湾華語は中国語の方言の一種だと思っていたのですが、権威あるウィキペディアによると台湾華語は中国語の標準語の一つだそうです。
(標準語がいくつもあるのってどうかと思うけど笑)
台湾華語も中国の普通語と同じ、北京語がベースになってできているので、かなり似ているんです(^^)
台湾華語は中国大陸でも通じる
こう書くと多くの方が気になるのが、「台湾華語は中国大陸でも通じるの?」という点だと思いますが、
台湾華語は中国大陸でも通じます!!
私の両親は2人とも台湾華語ネイティブですが、
- 中国大陸に行って仕事できる
- 中国大陸のTVドラマは字幕なしで普通に見られる
という感じで大陸文化と絡むことにまったく不便を感じていないそうなので、これは保証できます。
もちろん中国大陸の方が台湾に行っても問題なく暮らせます。
ただ、中国の普通語と台湾華語には多少の違いはあるので、話していると「この人大陸の人だな」「この人台湾出身だな」とお互いすぐにわかるそうです。
※ただし使われている漢字は違うので、読み書きをする場合は多少知識が必要になってくるかも。
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台湾華語と中国語の5つの違い
では台湾華語と中国語(普通語)の間にはどのような違いがあるのでしょうか。
大きく目立っている5つの違いについて、順番に挙げていきたいと思います。
違い①:漢字(文字)が違う
まず大きく違うのは、使われている漢字(文字)が違うこと。
- 台湾華語 → 繁体字
- 中国語 → 簡体字
という風に、大きく異なります。
台湾華語で使われている繁体字は画数が多い漢字で、日本の漢字とかなり似ているので日本人が見ればだいたいの意味がわかることが多いです。
一方、中国語で使われる簡体字は画数をかなり省略した漢字で、漢字に慣れている日本人でもパッと見てすぐにはわからないことがほとんどです。
日本語にある「広」という漢字を例に挙げると、
- 台湾華語 → 廣
- 中国語 → 广
という風に、画数に大きな違いが出てきます。
日本の漢字に慣れていると「簡体字略しすぎでしょ!」と思っちゃいます(笑)。
違い②:発音が違う
台湾華語と中国語の大きな違いの一つが、発音の違いです。
台湾華語初心者の私でもわかるぐらい、発音は違います。
どういう風に違うかというと、
- 台湾華語 → 柔らかい、まったり
- 中国語 → 強い、はっきり
っていう感じ。
これだけだと抽象的すぎるので、もっと具体的に説明すると、
【台湾華語】
- 四声の区別がやや甘い
- 巻き舌音が少なめ
- 言葉の抑揚が少なめ
【中国語】
- 四声の区別がはっきりしている
- 巻き舌音がしっかりしている
- 言葉の抑揚がはっきりしている
という違いがあります。
中国大陸の人からすると、台湾華語は甘えた喋り方に聞こえるそうです。
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違い③:一部の単語が違う
これはそこまで気にしなくてもいいですが、一部使われている単語や言葉が違います。
例えば、「おはよう」を例にとると、
- 台湾華語 → 早安(ザオアン)
- 中国語 → 早上好(ザオサンハオ)
という風に使うフレーズが違います(でもお互い言いたいことは通じます)。
また、「じゃがいも」の場合、
- 台湾華語 → 馬鈴薯(マアリンスゥ)
- 中国語 → 土豆(トゥドウ)
といった感じで単語自体が変わります(でもお互い通じる)。
単語が違うと聞くと不安になるかもしれませんが、違うのは本当に一部の単語なので大丈夫。
相手がネイティブならどちらの単語もわかっているはずですから(なんとなく知ってることが多い)、まったく通じないということはまずありません(^^)
違い④:一部の単語の読み方が違う
同じ漢字を使っていても、台湾華語と中国語では読み方が多少変わることがあります。
また、言葉は同じでも四声(アクセント)が違うこともあるようです。
ですがこれも相手がネイティブなら普通に理解してもらえる範囲なので大丈夫です!
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違い⑤:一部の文末が違う
中国語の普通語にはない、台湾華語の大きな特徴がコレ。
台湾華語では会話するときに文末に
- 阿(ア)
- 吧(バ)
- 喔(オ)
- 呢(ネ)
といった一言を付け加えることが多いです(実際はもっとたくさんあります)。
中国語で「いいよ」という時、「好(ハオ)」だけでじゅうぶん通じるのですが、台湾華語だと「好啊(ハオア)」という風に文末に一言つけるんです。
これらは文法的には「語気助詞」というそうですが、これらを加えることで
- 感情をより表す
- 言葉の強さをやわらげる
という効果があります。
「なんだか難しそう…」と思った方もいるかもしれませんが、これらをつけないで喋っても問題なく通じるので、台湾華語を勉強される方は慣れてきたら取り入れるといいかもしれません。
これらを文末につけることでネイティブに一歩近づけます(^^)
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台湾華語と台湾語は違う言語
さて、ここまでで台湾華語と中国語の違いをだいたい理解した方も多いでしょう。
ですがもう一つだけ解説させてください。
それは、「台湾華語と台湾語は違う」ということ。
日本では多くの人が「台湾の標準語=台湾語」と思っているようですが、それは違います。
先ほどからお伝えしているように、台湾の標準語は台湾華語。
台湾語は、台湾の方言の一種なんです。
台湾語は台湾の標準語ではない
私が日本人の友人に「両親が台湾人で…」という話をすると、「じゃあ台湾語できるの?」と聞かれることがよくあります。
私は台湾の標準語である台湾華語は少しできますが、方言の台湾語はまったくできないので、そのまま受け止めて「台湾語はできないよ」と答えると、
相手に「コイツ、台湾人の両親がいるのに少しも中国語話せないんだ」と思われて終わってしまいます。
ほとんどの場合、相手は「台湾で話されている中国語喋れるの?」という意味で聞いているので、
「台湾語は台湾の方言だからできないけど、台湾の標準語は少しできるよ」という風にやんわり訂正しつつ答えることが多いです(笑)。
なので、
- 台湾語は台湾の標準語ではない
- 台湾華語と台湾語は全く別の言語
ということだけはしっかり頭に入れておきましょう。
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最近の若者は台湾語を話せない人が多い
ひと昔前にはほとんどの台湾人が台湾語をしゃべっていた時代があり、台湾華語という共通が普及してきたために台湾語が方言的に扱われるようになった、という流れがあります。
そのため、お年寄りで台湾語はできるけど台湾華語は全然話せない、という人もけっこういるそう。
余談ですが、台湾の看護師さんはキャリアアップのために台湾華語と台湾語両方を話せるように勉強するそうです。
病院に来るお年寄りの中には台湾語しか話せない人も多いため、台湾語も話せる方がより良い条件で働けるんだそう(^^)
台湾華語が標準語として普及し始めてからは、台湾語を話せる人の割合が少なくなってきました。
- お年寄りのほとんどは話せる
- 30代~40代ならたまに話せる人もいる
- 20代以下で話せる人は少ない
という感じですね。
台湾語は台湾華語と発音も言葉も違う
台湾語は台湾華語とは全く別物で、発音も言葉も全然違います。
台湾に行くとたまに台湾語の会話を聞くことがありますが、完全にちんぷんかんぷん。
発音もユニークな感じなので、宇宙語のように聞こえます(笑)。
ちなみに私の周囲の台湾語スペックは、
- 台湾人の両親 → なんとなくわかる程度
- 台湾人の叔母さん → 台湾語ベラベラ
- 台湾人の友人(30代) → 少しだけわかるけどめっちゃ下手
という感じに、見事にバラバラです。
私のイメージでは台湾語は家庭内で自然と覚える言葉という感じなので、私の両親の親(おじいちゃんおばあちゃん)はあまり台湾語を話さず、叔母さんのおうちでは台湾語どっぷりだったんだろうなー、と思っています。
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【まとめ】台湾華語と中国語に大きな違いはなかった【台湾語だけは別物】
ここまで解説してきましたが、いかがでしたか?
台湾華語と中国語、台湾語の違いがだいたいはわかってもらえたと思います(^^)
それぞれの言語をざっくり定義すると、
- 台湾華語 → 台湾の標準中国語
- 中国語 → 中国圏で話されている言葉の総称
- 普通語 → 中国大陸で話されている中国語の標準語
- 台湾語 → 台湾の方言
こんな感じ。
そして、それぞれの違いをまとめると、
- 台湾華語と中国語(普通語)には大きな差はない
- 台湾華語と中国語(普通語)どちらを学んでも中国・台湾で通じる
- 台湾語だけは台湾華語と中国語(普通語)のどちらとも似ていない
という風になりますね。
本当は「勉強するなら台湾華語と中国語のどっちがいい?」という内容も盛り込みたかったのですが、長くなってしまったのでこれについてはまた次回書くことにします。
今回はこのへんで。
再見!
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